◉ 最初の”暇”
はじまりは、社会人になってからのことです。
社会人1年目は、初めて仕事をやり始めたことが手伝い、悪戦苦闘する日々を送っていました。少し前までの不規則な学生生活から一転して、朝は早く起きて夜は残業が続いていた記憶があります。
ただ、その忙しいプロジェクトにおいて、1週間の夏休みがぽっかりできました。理由は「プロジェクトは忙しいものの、1年めの夏休みを潰すわけにはいかない」という上司の気遣いからです。
社会人1年目のわたしは能動的に活動するタイプではなかったので(今もそうではありますが・・)、1週間連続の夏休みがあったとしても特にやること・やりたいことはありませんでした(今思えば贅沢な悩み以外の何物でもありませんが)。
その旨を、その当時は実家暮らしであったため母親に正直に話してみたところ、
『海外に行ってみれば?』
と提案を受けました。
それまでの海外との接点は、学生時代に2泊3日の韓国旅行だけで、ほぼほぼ無縁の生活でした。
そのときはあまり考えずに、長い期間を有意義に潰せそうだな、くらいにしか考えていなかったものの、行ってみるか、という軽く考えていたと振り返ります。
◉ 最初の衝撃
その提案から、夏休みも比較的近くに差し迫っていたこともあったので、すぐ検討し始めました。
結果は、目的地を『シドにー』としています。オーストラリアは多くの日本人が訪れる観光大国であることを知っていたので、初めてでも困ることは少なそうだなと感じたからです。シドニーは、2000年シドニーオリンピックが印象に残っていたため、街選びは一瞬でした。予約は航空代理店をインターネット経由で行って、ケアンズ経由のジェットスター便で行くことにしました。
当日になり、ケアンズはすぐに着いた記憶がありました。ケアンズ空港での乗り換え時間が1時間程度あったため、やることも特になかったためカフェでカプチーノを頼んでのんびりすることを考えます。
学生時代から無類のコーヒー好きだったため、今までにもいろいろなコーヒーやカプチーノを飲んできていました。
が、このケアンズ空港で飲んだカプチーノが、その時人生で一番美味しかったのです。
この衝撃は今でも覚えています。エスプレッソの濃厚さ、ミルクのふわふわさと甘さ、その掛け合わせが美味しすぎました。味もそうですが、店員と英語を交わして注文したことも新鮮でした。
別の衝撃で、カフェでのんびりしているときも人間観察を行っていましたが、通る人通る人、いろいろな国籍の方が通ることがとても刺激的でした。日本では考えられない、いろいろな国の人が通っていて驚きました。
この2点が、海外に突き動かす原点となりました。
◉ これらからの学び
これらの経験から、
“暇”(=能動的に生み出す可処分時間)を作ると、そこに当てはめるように行動を考えるな
という学びを得ました。
この行動は基本的に”能動的な行動”となるので、この暇な時間で行う行動はすべて学びとなっていることに気づきました。
そのため、仕事の忙しさは現代の誰しもが持つものなのである意味どうしようもないところがあるものの、その制約の中で暇を生み出す努力はしています。
また、
自分の活動とは別に、世界は常に動き続けている
ということも学んでいます。どうしても世界は自分が中心だと考えがちですが、自分の活動しているときも世界は常に動き続けていることが世界を歩いているとわかります。お店では働いている人がいて、街を歩いている人も次の目的地があって、ニュースもIT技術も医療も日に日に変わっています。
なので、世界を歩き続けて、自分の目で見て、世界を感じたいと思います。