海外旅行で空港に到着し、「これでスマホが使える!」と意気込んでプリペイドSIMカードを購入したものの、なぜかアクティベートできずに焦った経験はありませんか?
特に、数ヶ月以内に同じ国を再訪し、以前と同じスマホでSIMを使おうとすると、この問題が起きやすいようです。
今回は、ウズベキスタンのタシケント空港で実際に起きた事例をもとに、その原因と具体的な解決策を解説します。
なぜSIMカードがアクティベートできないのか?
原因は、単なる初期不良だけではありません。システムのセキュリティや不正利用防止策が関係していることがほとんどです。
1. eKYC(本人確認)によるIMEI制限
海外でプリペイドSIMを契約する際、多くの国ではパスポート情報とスマホのIMEI番号(端末識別番号)を紐づけて登録することが義務付けられています。これは、マネーロンダリングやテロ資金供与を防ぐための本人確認(eKYC)の一環です。
このシステムが、短期間に同じIMEI番号で複数のSIMカードが登録されようとしていると検知すると、「不正利用」と判断してアクティベーションをブロックする可能性が高いです。
2. 空港SIM特有の不正利用防止策
空港で販売されているツーリスト向けのSIMカードは、手続きが簡略化されている分、不正利用を防ぐためのルールが厳格に設定されていることがあります。たとえば、「観光客一人につき一枚まで」といった購入制限がその一例です。
一度登録したIMEI番号では、短期間での再利用ができないような仕組みになっていると考えられます。
トラブルを回避するための3つの解決策
こうした問題を未然に防ぎ、スムーズに通信環境を確保するための具体的な対策を3つご紹介します。
1. 現地到着前にeSIMを準備する
物理的なSIMカードの代わりに、eSIMを利用するのが最も確実な方法です。AiraloやNomadといった国際的なeSIMサービスを使えば、出発前にオンラインでプロファイルをダウンロードしておけます。
eSIMは物理SIMとは異なるシステムで管理されているため、現地のキャリアによるIMEI制限にかからないケースが多く、安心して利用できます。
現地で物理SIMを買うより割高な点がデメリットです
2. 空港ではなく市内の正規店舗で契約する
空港のカウンターは手続きが簡略化されている分、イレギュラーな事態への対応が難しい場合があります。
一方、市内のキャリア正規店舗では、専門のスタッフがパスポート情報やIMEI番号の登録をより丁寧に行ってくれます。過去の契約履歴がシステム上に残っていても、スタッフが手動でリセットするなど、適切な対応を期待できます。
市内でサポートを受けられる可能性がある一方、接続トラブルが多い印象があります
3. サブ端末を用意してSIMを使い分ける
SIMフリーのサブ端末を用意し、現地SIMをそちらに挿入するのも有効な手段です。IMEI番号が変わるため、システムの制限を物理的に回避できます。
サブ端末をモバイルWi-Fiルーター代わりに使えば、メイン端末はテザリングで通信できるため、普段通り利用できます。
ただし、これは同じ旅行先に、毎回新しい端末を必要とする点でかなりイマイチです。
まとめ
海外でSIMカードがアクティベートできない問題は、システムの仕様やセキュリティ上の制約が原因であることがほとんどです。特に、短期間に同じ端末で複数回SIMカードを契約しようとする場合は、今回ご紹介した解決策を参考にしてみてください。
事前にeSIMを準備したり、現地で正規店舗を利用することで、通信トラブルのリスクを減らし、より快適な旅行を楽しめるでしょう。