近年、YouTubeやブログで世界一周の情報を目にすることが増えました。世界一周航空券が手軽になり、便利な旅グッズも安価で手に入る時代。旅の「How To」はインターネットにあふれ、「世界一周のやり方」は誰でも簡単に知ることができます。
しかし、情報が多すぎる現代だからこそ、私たちは立ち止まって考える必要があるのではないでしょうか。
「How To」とは何か?──具体的に見てみよう
ここで言う「How To」とは、旅の技術的なノウハウや実用的な情報のことを指します。たとえば、次のような項目が代表的です。
1.
どのような荷物を持っていくか(バックパックかトランクか、パッキングの工夫)2.
どの国に行くにも必要となるVISAの取り方や、国境の越え方の手順3.
いかに安く移動・宿泊・食事を済ませるかという節約術4.
eSIMやWi-Fi機器、変換プラグなど通信・電源まわりのガジェット選び5.
世界一周航空券の取り方やルートの組み方6.
安くて軽いサンダルや多機能なポーチ、盗難防止グッズなど、便利グッズの選び方7.
病気・トラブル対策のための保険加入や予防接種の情報
これらの情報は、今やブログやYouTubeで大量に紹介されており、簡単に手に入れることができます。しかも、製品やサービスは年々アップデートされており、「最新の旅グッズ」や「最適な節約ルート」が次々と公開されています。
しかし、どれだけHow Toを集めても、それだけでは「心に残る旅」にはなりません。なぜなら、それは“旅の外側”の話だからです。本当に大切なのは、**自分自身の目的や価値観、旅を通して得たい「何か」**を明確に持つことです。
情報過多時代の落とし穴
世界一周のハードルが下がった一方で、「なぜ旅をするのか」「旅で何を得たいのか」といった明確な目的や自分なりのスタンスを持たずに出発する人が増えているように感じます。ただ情報をなぞるだけの旅では、本当に心に刻まれるような経験を得ることは難しいかもしれません。
たとえば、「世界の料理を食べて回りたい」という目的も、一見魅力的ですが、日本にいながらにして世界各国の本格的な料理を味わうことができます。本当にその目的のために世界を回る必要があるのか、今一度考えてみる価値はあります。
世界一周の前に「試す」ことの重要性
いきなり高価な装備を揃えて出発しても、実際には使わないものが多かったり、初期不良に遭遇することもあります。長期の旅に出る前に、まずは1ヶ国や数ヶ国を回ってみて、自分の旅のスタイルを見極めることが成功の鍵となります。
これは人生においても同じです。すべてを一度に試すのではなく、小さく始めて、学びながら進んでいくことが大切です。
旅の質は「自分の意思と行動」で決まる
情報の価値は、時代とともに変化しています。オフラインからオンラインへと移行し、便利なサービスや情報共有の場が増えました。しかし、いくら情報が整備されていても、それをどう活かすかは自分次第です。
つまり、旅の質は、他人の「How To」ではなく、「自分の意思と行動」によって決まるのです。
自分の「なぜ」を見つけよう
「How To」は簡単に手に入る時代です。しかし、本当に大切なのは、**「自分がなぜ旅をするのか」「その旅で何を得たいのか」**という、あなただけの問いを持つことです。
目的や思いのない旅は、記憶にも心にも残りにくいものになってしまいます。せっかく世界に出るなら、あなたにしかできない、あなただけの旅をしてみませんか?